【分析解答题】

私には昨春、高校を卒業した二人の娘がいる。姉は大学受験に失敗して現在予備校生。妹の方は就職している。姉は小さい時から勉強が得意だが、妹は勉強は苦手だった。だが、二人とも心の優しい子に育ったと私は思っている。ところが、先日、久しく顔を見せていない夫の弟が訪ねてきた。私と娘二人で迎え、賑やかに談笑していたが、途中から①{{U}}話の行き雲が怪しくなってきた{{/U}}。義弟がいやに姉の方にからむのだ。「女なのに大学なんかに行ってどうするんだ。②{{U}}学歴のある人間にろくなやつはいない{{/U}}。」気まずい空気を取り除くように妹は「おじさん、夕食にしよう。シチューがあるのよ」と準備のために席を立った。昼の間に姉が久しぶりに会う叔父さんのために作ったシチューである。シチューを口に運んだ義弟は「やっぱり勉強はできなくても、気立てのいい子の作った料理はおいしいなあ」。シチューは妹が作ったものと思い込んでいたのだ。姉は③{{U}}「ごめんなさい」と席を外し、台所で泣きじゃくっていた{{/U}}。彼女の心はズタズタに傷つけられてしまった。義弟は中卒で苦労して生きてきた人間である。今までに学歴のある人間に何度も傷つけられてきたことだろう。一年以上もあっていない姪に「女のくせに、ロボットのように勉強ばかりしている」といって、④{{U}}自分の劣等感{{/U}}をぶつけたのではないだろうか。思えば、姉の浪人が決定してから、励ましに来てくれた親類の方々の話の内容も「私は学歴はないけれど、人間性だけはある」と言う。最後には女の学歴の批判で終る。みんな、女で浪人と言う表面ばかり見て、教師希望という目的意識を持った娘の内側を理解してくれる人はいなかった。 ④{{U}}自分の劣等感と{{/U}}はどんな劣等感か。　

A、叔父さんの今まで苦労したという劣等感
B．叔父さんの中卒だという劣等感
C．妹の勉強ができないという劣等感
D．姉のロボットのように勉強しているという劣等感